パニック発作ってこんな感じです。
先日、母に「パニックになるとどんな感じなの?」
兄には「うつ病の人になにしたらいいか分からない。でも応援はしてるんだけど…」と
話をされ、なるほどなあ…と思ったのです。
私からしたら自分で体験してるから、パニックやうつの人の気持ちは
手に取るようにわかるけどそうでない人はほんとどうしたらいいの?ですよね。
ということで患者として説明してみたいと思います。
みなさんは自分が1番緊張する場面ってどんなときですか?
会社でプレゼンするときでしょうか?
何かスポーツの試合にでるときでしょうか?
バンジージャンプを飛ぶときでしょうか?(笑)
パニック障害の人は皆さんが思った1番緊張する時の状態が日常なのです。
買い物に行くとき、美容院に行くとき、友人と外食するとき、電車に乗るとき、
レジを並ぶとき、コンサートに行くとき、学校や仕事に行くとき…
とにかくすべての日常が該当します。(広場恐怖症というやつです)
「外に出てパニックになったらどうしよう…」
「電車で吐いたらどうしよう…」
「息ができなくて気絶してしまったらどうしよう…」
「誰かに迷惑かけたらどうしよう...」
怖い怖い怖い怖い不安不安不安不安ドキドキドキドキ……
こうやって出かける前も出かけている間も緊張しっぱなしです。
これが俗にいう【 予期不安 】です。
じゃあ発作の時は?って話ですよね。
ではみなさんはバンジージャンプのとび台にいます。
今から50m飛び降りますよー!バクバクですね。
どうなるんでしょう。
無事帰ってこれるか、ケガしてしまうのか怖くて
叫びたいですよね。(←これが予期不安)
そんなとき、スタッフから「あなたの携帯に電話が来てますよ」といわれます。
バンジーのとび台から電話に出ると
「○○(最も大切な人)が亡くなった。今すぐ帰ってきて!!」とのこと。
えええ?な状態なのに、ここで止まらず
【3・2・1・バンジー!!】
あなたは50m先に落ちていくのです。
このときどんな気持ちですか?
「わーーーーーー!!!助けてくれーーー!!」ですよね?
これがパニック発作です。
ここでパニック障害の人は身体症状が出ますので
呼吸の乱れ・震え・意識が遠のく・気絶する・動悸・冷や汗・吐き気・腹痛など
人によって異なりますが大きな不安と恐怖の中にいます。
私なりに説明してきましたが、分かりましたか?
私は分かるわけないよなあ…と思ってます。
女性の生理痛や出産の痛みを男性が本当にわかることはできますか?
難病と闘う方の気持ちを本当にわかることができますか?
家族を亡くして悲しむ友人の気持ちを本当に分かってあげられますか?
HSPの方の生活を体感することができますか?
発達障害の子どもの見え方を同じように見てあげることができますか?
無理なのです。
よく『うつ病の人が見ている世界』というYouTubeが上がっていますが
私からしたら全然違うやんけ!と思います。(笑)
人によって異なりますからね。
でもそうやって
「私の病気ってこんな感じなんだよね。わかってもらえないかもしれないけどさ~」
って伝えていくのはいいことなのかなと思っています。
もちろん理解されなくても怒りはしません。分かりづらいですもの。
ただ否定されたり馬鹿にされるのは絶対嫌ですけどね!
じゃあ周りはどうしたらいいかですが…
さっきのバンジーの人が戻ってきてやはり混乱しています。
【 あなたはなんと声をかけますか? 】
という話です。
ある人は『大丈夫?』
ある人は『今から急いで帰ろう!送っていくから!』
ある人は『いったん落ち着こう。水飲んで』
ある人は黙って横に座り、背中をさすっているかもしれません。
これは個人の判断です。
自分がこのバンジーの人だったらどうしてほしいでしょうか。
私は誰かに声をかけてほしいです。そばにいてほしいです。
私は『うつ病・パニック障害の人にかけてはいけない言葉』というのが嫌いです。
というのもそうやって意識することでこういった病気の人を
腫れ物に触るかのように接するようになるからです。
そんな必要はないと思います。
もし「どうしたらいいか分からない」と思っている人は
目の前にこのバンジージャンプの人がいたら何しようかな?と考えてください。
それができることなのだと思います。
分からないなら「どうしてほしいとかある?」と聞いてもいいわけです。
私の友人は平気で私に「頑張れ!こんなことに負けるな!!」といいます。
思いっきりダメワード。(笑)
でも嫌ではありません。そこにはたくさんの思いやりが詰まっているのを私は知っているからです。
私と友人の関係上、それが友人の思いある言葉であることが伝わるからです。
結局は思いやりが伝わればダメな対応なんてない。
そして分かるなんて無理。だから分からないなりに向き合えばいい。
これが私のアンサーです。